日本人と八重歯
八重歯とは、上顎の犬歯（前から3番目の歯）が本来の歯並びからずれて隣の歯と重なって生えていることです。今回は、日本人と八重歯についてご紹介します。
なぜ八重歯になる？
八重歯になる原因には様々なものがありますが、遺伝的要因が大きいと考えられています。上顎の骨の大きさが歯の大きさに対して小さいと、歯が並びきるスペースが不足して八重歯になる可能性が高くなるのです。そのほかにも、過剰歯（通常の歯の本数よりも多く生えてきた歯）や乳歯が抜けるタイミングが遅れることにより生じることもあります。
日本と海外における八重歯のイメージの違い
日本において八重歯はチャームポイントとして捉えられることが多く、さほど悪いイメージは抱かれていません。一方、海外では歯並びの良さが重要視される傾向にあるため、八重歯についても否定的な意見が大多数です。ドラキュラや悪魔が連想されることも八重歯が好まれない理由のようです。
日本で八重歯が好まれる理由
日本人が八重歯を好意的に受け入れている理由には諸説あります。
昔から日本人は「不完全な美」を好む傾向があり、八重歯もその一つと捉えられている
昔、柔らかいものを好んで食べる貴族に八重歯が多かったため、八重歯=高貴というイメージがもたれて憧れられた
八重歯は幼さを象徴するものとして好意的に捉えられた
このような理由から八重歯を積極的に治療しない人も多くいたようですが、八重歯はあくまでも不正咬合の一種であるため、そのままにしておくことで生じるデメリットもあります。
八重歯を治療したほうがよい理由
八重歯をそのままにしておくのは、見た目のコンプレックスになること以外にも影響があります。八重歯は隣の歯と重なり合っていることから歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まることでむし歯や歯周病になるリスクが高くなります。また、前から3番目の歯は噛み合わせにおいても重要な役割を果たしていますが、その歯が正常に機能しないことで他の歯に負担がかかったり噛み合わせ自体に不具合が生じる可能性もあります。
まとめ
日本人にとって八重歯は好意的に捉えられるものではありますが、不正咬合であるため治療が望ましいケースも多くあります。八重歯をそのままにすることによって起こり得るリスクもありますので、八重歯が気になる場合は歯科医院で相談し、適切な治療方法などを検討していきましょう。
