乳歯と永久歯の違いについて
子どものときに生える乳歯と、乳歯が抜けた後に生え変わる永久歯にはどのような違いがあるのでしょうか。本数や色、大きさ、むし歯へのなりやすさなど様々な角度から比較してみましょう。
・歯の本数
乳歯は、前から順に乳中切歯、乳側切歯、乳犬歯、第一乳臼歯、第二乳臼歯の5種類の歯があり、上下左右あわせて全部で20本生えます。生後5~6ヶ月ごろに乳中切歯が生えるのが最初で、その後おおむね2歳半までには全ての乳歯が生えそろいます。
永久歯は、前から順に中切歯、側切歯、犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯、第一大臼歯、第二大臼歯、第三大臼歯の8種類の歯があり、上下左右あわせて最大32本生えます。第三大臼歯とは親知らずのことですが、1本も生えない人もいれば数本だけ生える人、4本全部生えてくる人など様々です。親知らずが1本も生えない場合は、先天性欠損歯を除き歯は全部で28本になります。
・歯の色や大きさ
乳歯も永久歯も、歯の構造は同じです。歯の表面のエナメル質と、その内側の象牙質、そして歯の神経(歯髄)から構成されています。しかし、形や大きさは乳歯と永久歯で異なります。乳歯は永久歯に比べてひとまわりほど小さく、やや黄みがかった色をしている永久歯に対し、乳歯は乳白色をしています。また、永久歯は乳歯よりも前歯の幅が大きいことも形態的な特徴の一つです。
・むし歯のなりやすさ
むし歯は、歯がむし歯原因菌の産出する酸により溶ける病気です。エナメル質で起こる「脱灰」が「再石灰化」を上回った場合にむし歯になります。乳歯のエナメル質や象牙質は、永久歯に比べて半分ほどの厚みしかありません。また、乳歯は歯の質が柔らかく酸に溶け出ししやすいため、永久歯に比べてむし歯になりやすく、進行も早いといわれています。さらに、乳歯の奥歯は溝が細かく深いつくりをしているため、汚れがたまりやすく、気をつけて磨く必要があります。
このように、乳歯と永久歯は本数や大きさ、歯の質によるむし歯のなりやすさなど様々な違いがあります。乳歯は永久歯に比べてむし歯のリスクが高いことから、毎日の丁寧な歯磨きは勿論のこと、フッ素塗布を受けるなどして積極的に予防に努めることが大切です。もしむし歯になってしまったとしても、定期的な歯科検診を受けていればむし歯を早期発見し、早期に治療することができます。乳歯も永久歯もむし歯を予防できるよう、検診のご予約はお気軽にお問い合わせください。