誕生前から2歳までの虫歯予防Q&A
こんにちは!
北九州市小倉北区のひらい歯科クリニックです。
Q.結局のところ、虫歯の予防にはいろいろ方法があることが分かりましたが、一番有効なものは何ですか?
A.虫歯の要因がたくさんあるために多くの予防法が存在するといえるのですが、それらの予防法はそれぞれ効果の対象が異なります。なので「どれが一番有効な予防法か」と考えることはあまり意味がありません。
虫歯の予防方法の選択と、その前にしっかりとリスクを診断することが大切です。
お子さんやご自分のお口の中がどのような状況であるかをきちんと把握し、どれか一つの方法に頼るのではなく、どう組み合わせればより効果的かを考えることが大切なのです。
Q.母子伝播(父・祖父母などからも)は、1回接触しただけでも感染してしまうのでしょうか。
A.1度接触しただけで感染してお子さんの口腔内にMS菌が定着する場合もあれば、無い場合もあります。これは、「確率」の問題だといえます。菌が住み着きやすい要因が揃うほど定着の確率が高まります。
具体的には、
(1)感染源(ご家族)の方々のお口の中にMS菌が多い。
(2)お子さんのお口の中に歯がたくさん生えそろってきている。
(3)お子さんのショ糖摂取頻度が多い。
などといった要因で、これらが多いほど「定着の可能性が高い」と言えます。
Q.母子伝播予防で重要なのはなぜ2歳までといわれているのですか?
A.海外の研究で、2歳台頃までに虫歯菌に感染すると、虫歯発症の可能性が高くなりその重症度も高くなることが分かっています。また、早期に感染するほど、その後に発症する虫歯の重症度も大きくなるという研究報告があります。
また、2歳以降には幼稚園や保育園に通い始めるお子さんが多くなります。2歳以降は家族以外の人と接する機会が多くなり、虫歯菌の感染源が家族(特にお母さん)だけとは限らなくなってくるのです。2歳までMS菌に感染しなければ、その後に感染する分はお母さんのせいではないので、まずは2歳までMS菌を定着させないように頑張ってもらうのが現実的なのです。
Q.寝る前にキシリトールガムを食べても大丈夫?
A.甘味料として100%のキシリトールを含むガムであれば、虫歯の原因になる酸が全く産生されないので、寝る前に食べても大丈夫です。
ただし、「夜歯みがきした後に何かを食べるのは抵抗がある」と感じるのであれば、無理に食べる必要もすすめる必要もありません。
100%キシリトールのガムは歯科専用として歯科医院で販売されています。
ひらい歯科クリニックでも販売していますので、お子さんの夜の歯みがきや仕上げみがきに活用してみるのも良いかもしれません。
院長 平井典和