歯みがき粉について
こんにちは!
北九州市小倉北区のひらい歯科クリニックです。
近年はTVコマーシャルでも色々なメーカーの歯みがき粉が宣伝されています。「冷たいものがしみる~」「歯周病予防にはコレ!」「フッ素で歯を強くして虫歯予防を」など宣伝文句もさまざまで、逆に歯磨き粉選びにお悩みが出てくるのではないでしょうか?
正しいブラッシングで磨き残しを残さないようにキレイに磨けば、虫歯と歯周病の原因を除去できるので虫歯予防にも歯周病予防にもなります。ということは、歯みがき粉は実は歯みがきにとって必須のアイテムではないのです。
ですが、歯みがき粉の中には様々な薬用成分が含まれており、歯を強くする成分や知覚過敏抑制など薬効成分が入っているものもありますし歯周病予防に効果があるものもあります。また、歯みがき粉を使うとミントの香りや風味でお口の中がさっぱりして気分よく歯みがきをすることができますので、歯みがきの効果を高めてくれる可能性があります。
是非ご自身にあったものを選んで使用してください。
歯みがき粉の薬用成分は?
① フッ素
今や歯みがき粉の9割がフッ素入りといわれていますが、中でもフッ素が高濃度に配合されたものを選びましょう!何故ならフッ素には虫歯予防に対する3つの大きな役割を持っているからです。その3つの役割とは、①虫歯菌が作る酸の生産を抑制②再石灰化の促進③歯質強化です。
現在日本ではフッ素濃度は1500ppmが上限とされており、ひらい歯科でもフッ素濃度が1450ppmの歯みがき粉を販売しております。是非お試しください。
ただし、子どものフッ素濃度は年齢によって推奨されている濃度が変わります。
5歳まで:500ppmまで
6~14歳:1000ppmまで
15歳~:1450ppm(市販のものは最高1450ppmのものが多い)まで
お子さんの年齢に合わせてお選びくださいね。
② Bーグリチルレチン酸、グリチルリチン酸モノアンモニウムなどグリチルリチン酸化合物やトラネキサム酸など
これらは「抗炎症作用」があると言われている薬用成分で、歯ぐきの炎症を抑えることで歯周病予防に効果があると言われています。
③ イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、ヒノキチオールなど
これらは「殺菌作用」があると言われている薬用成分で、歯周病の原因菌を殺菌することで歯周病予防に効果があると言われています。
④ ニコチン酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、アラントインなど
これらは「血行促進作用」「組織修復作用」があると言われている薬用成分で、血行促進することで歯ぐきを健康に保ったり修復を早めたりして歯周病の進行を防ぐ効果があると言われています。
⑤ キシリトール
ミュータンス菌を増殖を抑えるという点で、配合されていると虫歯予防への効果が期待できます。歯質を強くする作用もあると言われていますが、フッ素と組み合わせて配合されていることが多いようです。
虫歯予防に効果的な成分は何といってもフッ素です。そして歯周病への効能として期待できるのがまず「抗炎症」「殺菌」の2つの働き成分、次に期待できるのが「血行促進」「組織修復」という2つの働き成分です。市販の歯みがき粉はたくさんあり、比較すると色々ありますので、是非この記事を参考にしてご自分の目的に合った歯みがき粉を選んでください。
ただし、虫歯や歯周病の原因となるプラークは歯磨き粉だけでは落とせません。歯みがき粉は、補助的な役割しか果たせないので、正しいブラッシングでしっかりと磨いて落とすことは忘れないでください。
かかりつけの歯科医院での定期検診を利用して、正しくブラッシングできているか確認し、歯みがき粉の選び方相談もしながら効果のある虫歯予防を目指しましょう!
院長 平井典和