顎関節症
こんにちは!
北九州市小倉北区のひらい歯科クリニックです。
顎関節症の原因
一般的に原因と考えられているものは、
- かみ合わせの不良(むし歯・歯の欠損放置・歯並びの不正など)
- 歯ぎしり
- かみしめ癖
- 偏側がみ
- 成長期の咀嚼不足による発育異常
などです。
噛み合わせ以外の原因としては、
- 外傷
- 運動不足
- ストレス
- 姿勢の悪さ
- 頬づえ
- 性格
- 精神的な問題
- 体調不良
- パソコン・編み物など下を長く見る環境
- スポーツ時のかみしめ
- 大開口
などがあります。
顎関節症はこれらの積み重なりで症状が発生するのですが、どれくらいで発症するかは個人差が大きく、真の原因はなかなか特定できません。
人によって顎関節や筋肉に負担をかける要因の種類やその強さが違うこと、また関節や筋肉の構造そのものにおいても人によって耐久力の大小があることから、似たような状況にある人でも症状の出る人とでない人がいるのです。
顎関節症の症状とは?
顎関節の症状には、
・口を開けようとすると顎関節が痛い
・あごを動かすときに「カクンカクン」「ギシギシ」「ザラザラ」などという音がする
・あまり大きく口があかない
などがあげられます。
顎関節症は、関節や筋肉の状態・症状によっていくつかの型に分けられます。
筋肉の障害
頬やこめかみの筋肉にだけ痛みがあり、顎関節には痛みが無いタイプです。また、「カクンカクン」などの音はしません。
関節を含む組織の障害
この場合も「カクンカクン」などの音はせず、顎関節にだけ痛みがあるタイプです。ほかの関節の捻挫と似たような症状です。
関節内にある関節円板の障害
顎関節には頭蓋骨(上の骨)と下顎骨(下あごの骨)からできており、両者の間には隙間があって、その隙間には関節円板という例えるならば座布団のような組織があります。この関節円板の位置のズレや変形があることで、「カクンカクン」といった開閉時の音が出たり、変形が大きいと口が途中までしか開かなくなります。円板の変形が大きくなるとお口を開けるときの痛みも強くなってきます。
骨が変形する障害
顎関節への負担が繰り返されたり長時間持続した際に、骨の表面が吸収される場合があります。円板の変形を伴うことが多く、口の開け閉めで「ザラザラ」「ギシギシ」という音が出ることがあります。
このように顎関節症の症状には分類があり、症状がどの分類に属するかとどの程度かによって治療の方法も変わってきます。
顎関節の治療
① 関節可動訓練
顎の運動範囲を増やすリハビリのようなものです。
② 薬物療法
お薬で筋肉や関節の炎症を抑えます。
③ スプリント療法
関節や筋肉の負担を軽くします。
④ 外科療法
関節に注射したり、手術により動きを改善させたりします。
顎関節症の治療において重要なのは、患者さんがご自分で行なう家庭療法や日常生活での注意です。
食いしばりや頬杖などの悪い癖をやめる、片噛みをしない、口を大きく開けすぎない、など顎に負担をかけないようにする普段から意識しましょう。
歯科医院や病院での治療は痛みを取ったり、顎や関節の負担を軽くするための薬物療法やスプリント療法が中心となります。どうしても痛みがなくならない・お口が開かない場合は関節に注射したり手術で関節内の癒着を取り除きますが、このような外科療法を行なう頻度は全体からすると少数です。
顎関節症は日常生活とのかかわりが大きな病気です。普段の生活を見直すことで、症状の改善や予防に大きくつながります。
ご自分の生活習慣を振り返ってみることも大切ですよ。
院長 平井典和